年少組「自由あそび」でのエピソード
★このコラムは、2020年10月15日(木)に、当園の入園説明会にて園長が保護者に向けてお話しした内容になります。
2学期が始まってまもなく起こった、ある年少組の自由遊びの時のエピソードを紹介させてください。
A子ちゃんとB子ちゃんが、椅子で周りを囲って家を作っていたときのお話です。
B子ちゃんが何気なく、A子ちゃんが囲いにしていた椅子を取って使ってしまいました。A子ちゃんは取られたと思って怒りだしましたが、B子ちゃんは訳がわからず、A子ちゃんに怒られたことで、泣き出してしまいました。
すると今度はA子ちゃんが、B子ちゃんが泣いてしまったことに焦り、怒っていたことなど忘れたように、近くにあった椅子をB子ちゃんに渡したり、B子ちゃんが作った家に遊びに行って、「近いから嬉しいね」と励ますように気を遣い始めました。
B子ちゃんもA子ちゃんの言葉かけに泣き止んで、「A子ちゃん、椅子使ってたもんね」と自身の行動を振り返り、「貸して」と言わずに椅子を取ってしまったことを反省する姿がありました。
結果、2人は「今度一緒に大きな家を作ろうね」と約束して仲直りすることが出来ました。担任は少し離れたところから、2人を見守っていましたが、年少さんでもこのエピソードのように、自分たちで問題を解決できるようになってきます。
かおり幼稚園の子ども達を見ていると、いつも次の言葉が思い浮かびます。「輝く子ども」です。
その輝きのなかで光る個性。一人として同じ子どもはいません。遊びを通してその個性がぶつかり合うこともあるでしょう。自分とは考えの違う子どもがいることを知って立ち止まってしまうこともあるかもしれません。そんなときかおり幼稚園の子ども達はどうするでしょうか。幼稚園で学んだこと、友だちのこと、気付いたことを自分のなかでしっかりと消化して考えるんです。あの子は自分とは違う、でもそういう子がいてもいい。
考え気付くことで生まれる仲間意識。そして友情。私たち保育者は「自分で考え自分で行動できる子ども」に導くためにそっと背中を押しながら、その子の能力や個性を100%引き出す教育を実践しています。
手塩にかけて育てられたお子さんを幼稚園にゆだねるということは大変なことだと思いますが、保護者の皆さんと車の両輪のように、お子さんを育てていきたいと思っています。
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